幸せとは縁遠い女性、マギーが唯一好きになったモノ、それはボクシング。
輝いている自分を好きになり、自分に自信が持てるから。
３１歳と、ボクサーとしてはピークをとっくに過ぎた、マギーのサクセスストーリーに胸が熱くなります。
だが、サクセスストーリーだと思っていたら、とても…悲しい結末を迎えます。
マギーは悔いを残さず、最後には ”いい人生だった” と思ってくれていれば、少しは救われます…そう、ほんの少しだけど…
Netflixで視聴可能です（2020/3/29 現在）
Amazonプライムビデオでも視聴可能です（2020/3/29 現在）プライム対象作品
貧しい女性のサクセスストーリー と 尊厳が心に刺さる
娘との苦い決別をした トレーナーのフランキーを頼るマギー
ボクサーからは出血止めの名人と讃えられ、その才能を活かしてトレーナー兼マネージャーになったフランキー。
有望株のウィリーの試合後に、前座で戦って勝利したマギーから、トレーナーになって欲しいと頼まれる。
フランキーは女性のボクサーは断る主義で、にべもなく断るが、マギーは翌日ジムに顔を出し、半年分の月謝を払って練習生となる。
納得いかないフランキーには、娘のケイティと苦い決別をした過去が有った。
ケイティに手紙を書き続けるが、机の引き出しには宛先人不明で帰ってきた手紙の束がある。
練習熱心なマギーに元ボクサーのエディが関心を持つ
エディはマギーが気に入ったのか、昔フランキーが使っていたスピードバックを貸すのだが、
フランキーは自分の道具を使っているマギーに忠告する。
マギーの性格が良いので、親切心から言っておかねばと思ったのだろう。
マギーの年齢が３１歳と聞き、３１歳からバレリーナーを目指したりするかい？
ムリだ、誰かがそれを君に言わねばと。
目をかけていたボクサー ウィリーは世界タイトルの為にフランクを裏切る
ウィリーは試合に勝ち続け世界タイトルのオファーも受けますが、フランクはまだ早いとオファーをけります。
早く世界挑戦をしたいウィリーは、いつまでたっても世界戦をさせない慎重なフランクと別れ、敏腕マネージャーの元へ去っていきます。
おいしい所を他のジムに持っていかれたのです。
フランクは金銭的な面だけではなく、眼をかけ、育てたボクサーに裏切られたのですから意気消沈するのもうなづけます。
そんな傷心のフランクは、誕生日を迎えたマギーに、基本を教え、マネージャーを付けます。
マギーの試合で、フランクはセコンドにつき 二人の感動の歩みが始まる
マギーにマネージャーをつけ、いよいよ試合が始まります。
左のガードが甘いマギーにアドバイスをするフランク。
元々強打のマギーは、フランクのアドバイスのおかげで逆転KO勝ちをします。
女のボクサーに偏見を持っていたフランクにとっても、ボクシングに対しては率直で、マギーのボクシングに対する熱意には心が動かされていたのでしょう。
マギーは自慢の強打で、１ラウンドKOを重ねて勝ち続けます。
そして４回戦から６回戦にステップアップしますが、さすがに苦戦します。
それでも１ラウンド最後にKO勝ちをします。
強すぎるマギー 対戦相手に困り、フランクは危険な賭けにでる
さすがに１ラウンド連続KOで、６回戦でも無敵状態のマギーを恐れ、対戦相手が決まらなくなってきました。
本来慎重派のフランクには珍しく、危険な賭けにでます。
階級を１つ上げた事により、道が開けてきました。
ウェルター級世界タイトルを賭け、現チャンピオンのビリーが対戦を指名してきたのです。
汚いファイトで有名ですが、こちらも強い為、対戦相手に苦労していたのでしょう。
フランクは対戦を断り、ビリーに負けたばかりの英国チャンピオンの誘いも断ります。
そんなフランクを観ていたエディは、マギーにマネージャーを紹介します。
フランクを裏切ったウィリーに世界タイトル戦をマネージメントした人物です。
マギーは、フランクを心から信頼していたのでしょう、ウィリーのようにフランクを裏切ったりはしませんでした。少しも悩むことなく断ったマギーに心打たれます。
マギーが モ・クシュラと呼ばれ始める
フランクはマギーに英国チャンピオンとの試合を決めます。
試合佣にモ・クシュラとゲイル語（アイルランド）で書かれたガウンをマギーにプレゼントするフランク。
タイトルは賭かっていませんが、大事な試合です。
英国で、アイルランドのモ・クシュラと書かれたガウンを着たマギーは、さながら英国代表対アイルランド代表の様相を呈しており、勝者のマギーの人気はうなぎのぼりです。
そんな人気のマギーに、再度対戦を指名する世界ウェルター級チャンピオンのビリー
運命の ”モ・クシュラ”マギー 対 ”青い熊”ビリー ウェルター級タイトルマッチ
フランクはマギーが試合に勝てばモ・クシュラの意味を教えると伝えます。
バグパイプの音色に合わせてリングに向かうマギー。
１ラウンド：マギーが優勢に試合を運びますが、ビリーの反則で、形勢は少し不利になります。
２ラウンド：マギーがビリーをいきなりダウンさせますが、ビリーも手強く、膠着状態です。
３ラウンド：マギーがスタンディングダウンをとり、コーナーに戻るところをビリーが襲います。
ビリーの不意打ちでコーナーに用意された椅子に首から落ちるマギー…
呼吸器をつけたままの闘病生活のマギー ”モ・クシュラ”の意味とは
意識を取り戻したマギーは重症で、のどに呼吸器がつけられ、自力で体も動かせない状態です。
フランクはマギーに付き添い、治療に対して最善を尽くしますが、どこの病院も絶望的と回答します。
マギーは付き添うフランクにお願いをします。
その願いはフランクが決して叶えたくないものと理解していても。
マギーは、ボクシングで観客から自分の名前というより、愛称でもある”モ・クシュラ”で応援され、雑誌にも載ったことは、フランクに出会う前には夢にも思わなかったことで、誇りを持って人生を生きたと思っている。
そして、そんな思いのまま人生の幕を引きたいと願った。
マギーは自殺未遂を起こし、苦しむフランク。
エディはフランクに、マギーにはガッツしかなかった。そんなマギーが１年半後には世界タイトルに挑戦できたのはフランクの力があったからだ。
人は日常に追われ、人生を悔いながら最期を迎える。
だが、マギーには悔いはない。
彼女が最期に思うのは”いい人生だった”と
その夜フランクはマギーを訪ね、モ・クシュラの意味を伝える。
モ・クシュラとは”愛する人よ お前は私の血”って意味だと…
マギーは微かに微笑み、その頬を涙が伝う。
フランクは二度と苦しむことの無いようにアドレナリンを大量にマギーに投与し、マギーが眠りに入りそのまま眠りから目覚めないようにした後、マギーの呼吸器を外し姿を消した。
エディはジムでフランクの帰りを待ったが、帰ってくることは無かった。
虚ろなフランクが娘のケィティを探しだし、もう一度許しを乞うて、共にレモンパイを食べている事を願わずにはいられない。
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