誰しも少なからず選択を迫られる時があると思います。
運命というのはいたずらなもので、片方を得ようとすると、もう片方を諦めなければいけない。
なかには、どちらも手に入れる人がいますが、ごく稀です。
欲をだせばどちらも手に入らない……
残念ながら筆者の場合は後者でしたが……。
この映画の主人公は、恋人との素敵な時間を取るか……、
恋人と遠く離れた異国への研修で、出世のチャンスを取るか……?
の選択に迫られます。
主人公はどちらも求めたのでしょうが、結果的に出世のチャンスを取り、恋人を失ってしまいます。
13年後社長になったジャックに、天使から素敵なクリスマスプレゼントが贈られます。
今とは逆の、出世ではなく恋人を選び、裕福ではないものの二人で暖かい家庭を築き、心が満たされた世界。
そんな別世界を、天使はジャックに体感させます。
ジャックはその世界がずっと続く事を心から願います。
しかし、やがてその夢は覚め、自分の過去の選択が間違っていた事にジャックは気づきます。
数年ぶりに現実世界でテーブルを挟んで話すジャックとケイト。
微笑みながら話し合う二人のラストシーンに、心が暖かくなるそんな映画です。
アメリカらしく、社会的成功よりも家庭的成功をオススメする映画でしたが、
ニコラス・エイジの優男ぶりと、観れば自分の奥さんにしたくなる程、かわいいティア・レオーニは必見です。
そして切なくも素敵な仮想の話は、現在大人になった方にこそ絶対おススメな映画です。
本当に愛した人と別れた経験のある方には是非観ていただきたいです。
Amazonプライムビデオで視聴可能(2020/02/03 現在)吹き替え・字幕
物 語
物語はインターネットや携帯電話などなかった頃、
主人公ジャック(ニコラス・ケイジ)を恋人ケイト(ティア・レオーニ)が空港で見送る所から始まります。
ジャックは出世のチャンスでもある1年の海外研修に向かおうとしています。
愛し合っている二人にとって、1年とはいえ会えないのは胸を締め付けられるほど辛いはず。
心が通っていれば、距離など問題ではない… これだけ愛しあっているんだから。
ずっと会えないわけじゃない、1年後には二人には輝かしい未来が待っている。
そう、二人で何度も話し合った。最善の選択だと。
行ってしまったら、全てが終わりそうで怖い。
幸せな未来が欲しいなら、今この瞬間から二人の生活を始めればいいわ。
仕事だけじゃ幸せになれないわ、二人が一緒にいればこそ幸せになれるんじゃない。
主人公は、後ろ髪を引かれる思いで恋人にしばしの別れを告げ、飛行機で異国に旅立ちます。
13年後、主人公ジャック(ニコラス・ケイジ)は投資家として大きな成功をします。
高層ビルに住み、ビジネスの成功者として日々を過ごしています。
部下にもクリスマス休暇を返上させて、仕事一筋の生活です。
そんなジャックに元婚約者ケイト(ティア・レオーニ)から手紙が来ます。
飛ぶ鳥を落とす程の勢いのジャックにとって元恋人からの手紙など、丸めてゴミ箱に捨てる物でしかなかったのです。
人間は物理的に恵まれると、反比例して精神は貧しくなるのでしょうか?
貧しい人々は温かい笑顔と、人間的なぬくもりを持っているのでしょうか?
勿論一概には言えませんが、そう感じる冒頭部分です。
しかし、ジャックの心はまだ、貧しくなっていませんでした。
たまたま居合わせたコンビニで、強盗犯を親身に更生させようとします。
その親切心が元で、ジャックは夢の世界に行くことになります。そう素敵な夢の世界に……。
目覚めたジャックはケイトと結婚して子供と暮らしていました。
事態が理解出来ないジャックは、混乱しています。
やがて、本来とは反対のロンドンに研修に行かなかった世界にやって来た事に気が付きます。
ジャックは以前との生活レベルの格差に憤りますが、
二人の思い出のビデオを観て、自分が歩んできた人生に足りなかった物がそこに有ることに気づきます。
ビデオには愛を満喫する二人、そして二人を祝福する周りの人々が映されていました。
欲しい物は全て画面の中。まるで悪夢のように……
まだジャックはそう感じるところまでは来ていませんでした。
そんなジャックも数週間たち、生活にも慣れて、家族の温かみを知ることによって、充実した生活を送るようになりました。
そして以前の生活には戻りたくないとも思うようになりました。
以前のエリートビジネスマンの世界に戻ったジャックは、
数週間ケイトと子供たちと過ごした家にフェラーリーで訪れますが、
ケイト達は住んでいませんでした。
落ち込むジャックの姿に、人間として温かみの増した姿を感じます。
ジャックはケイトの住所を調べ、訪ねて行きます。
ケイトはパリへ引っ越す為の準備をしている所でした。
ケイトも本来の世界では、弁護士として成功しており、かなりの高給取りになっていた。
ケイトから昔のジャックの私物を受け取り、自宅で考え込むジャック。
車で空港までとばし、パリ行の搭乗手続きをするケイトを呼び止めるジャック。
夢の話を去り行くケイトに叫び、子供の話、生活の話をしながら近づいていく。
僕達がここで別れてしまっても僕らはやっていける。
でも僕は夢の中の日々の二人を選びたい。
だからコーヒーを1杯だけ、パリは逃げたりしない。
だから行かないで、お願いだ。
そういってケイトを引き留めるジャック。
わかったわ、ジャック
そう言って、窓の外を夢が舞うカフェで、コーヒーを飲みながら話し込む二人に、心が救われる。
願わくば、あの温かい家庭をこれから二人で築いていって欲しいと願わずにはいられない。
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